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「健康長寿」の秘訣は、感謝して生きること

『医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣』発売記念コラム7

■「おかげさま」という日本語

 私の生まれ故郷である香川県に住み、高松市の名誉市民になった友人のペルシャ出身のソバハニさんという方は、「おかげさま」という日本語をよく使います。大好きな言葉だそうです。

「おかげさま」は漢字で書くと、「御陰様」。「神仏の助け。加護。他からの力添え」を意味する「御陰」に「様」をつけてさらに敬った言葉です。つまりは、他力ということですよね。

 私たちは何気なく「おかげさまで」という言葉を使いますが、日本にしかない概念のようです。無理やり英訳すれば、「thanks to」あるいは、「fortunately」「luckily」になるのかもしれませんが、やっぱりなんだか違う。「おかげさま」という言葉が持つ深みがこぼれ落ちてしまいます。

 元気に長生きされている方はみな、「おかげさまでね」とよくおっしゃいます。「おかげさま」が口癖になっているような人が神様に選ばれて長生きするのでしょう。

 分子生物学者の村上和雄さんは、遺伝子を研究するなかで人智をはるかに超えた偉大な存在の力を感じ、「サムシング・グレート」と呼びました。

 残念ながら生まれながらにして病気を抱えていたり、若くして重い病気になってしまったりする人もいるなかで、いま生きている私たちはたまたま生かされているのです。生かしていただいているのは、何か見えない力が働いているのでしょう。もしかしたらご先祖さんの力かもしれません。科学的に言うなら、DNAでしょうか。

 子どものころ、よく父親に「お天道様さまが見ている」と言われました。そうした大きな存在を日ごろから意識し、「おかげさま」と笑顔で言える人は多少の不摂生をしていても病気にならないのかもしれません。

 

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長尾 和宏

ながお かずひろ

1958年、香川県生まれ。医師、医学博士。医療法人社団裕和会理事長、長尾クリニック院長。84年、東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。95年、兵庫県尼崎市で開業、2006年より在宅療養支援診療所となり、外来診療と24時間体制での在宅診療を続ける。日本尊厳死協会副理事長、日本慢性期医療協会理事、日本ホスピス在宅ケア研究会理事、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本禁煙学会専門医、日本在宅医学会専門医、日本内科学会認定医、関西国際大学客員教授、東京医科大学客員教授。近著に『病気の9割は歩くだけで治る! 』『認知症は歩くだけで良くなる』(ともに山と渓谷社)、『がんは人生を二度生きられる』『その医者のかかり方は損です』(ともに青春出版社)、『「平穏死」10の条件』(ブックマン社)など多数。


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  • 2016.10.20